メンテ塾
@リアリーフピポット部分のグリスアップ
AJB23ジムニ−のハンドルシミ−の考察
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@リアリーフピポット部分のグリスアップ
メンテ台は56年式SJ30
ジムニ―リーフ車全車に言えることですがリアリーフのピポット部分(フロント側)
には常に駆動がかかりストレスのかかる場所といえます。そしてかなりの確立でトラブルの
多い部分と言えます。
| 画像右上方にみえるのがリアリーフのフロントピポット 部分です。タイヤを外さずフレームにジャッキをかって も作業は可能です。ジャッキをかう前にピポット部の ボルト,ナットを緩めておくのが良いと思います(抜い てはいけません) |
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ジャッキを上げてピポット部分に荷重がかかっていな いのを確認してから17mmのメガネレンチなどで緩め、 ボルトを抜き取ります。 |
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| 抜き取りました。これだけあっさり抜き取れるものは 低年式の車両では珍しいかもしれません。しかも かなりキレイなので過去に人の手が入っているのかも しれません。 抜き取れない原因としては水分が混入してボルトと ブッシュのカラーが固着する場合と、ピポット部分の プレートにボルトが食い込む場合があります。 |
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| ボルトに傷、錆の無いのを確認してシャーシグリス等を 塗布し、組みなおします。錆やピポットプレートによる 食い込みが見られるボルトは交換しましょう。 |
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| ジャッキでリーフのアイとピポットの穴の位置を修正 しつつボルトを組みなおします。ジャッキだけで合わ 無い場合、太目のドライバーでこじりながらボルトを 挿入します。ボルトのネジをつぶさないよう注意しま しょう。 |
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| リーフのアイとピポットの穴が合いましたらグリス付き ボルトを組み込みます。 |
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| ボルト、ナットを締めこみ、はみ出たグリスを拭き取って 終了です。 いざ固着すると外すのに非常に困難で、リーフブッシュ、 ピポットボルトの交換も必要となります。ハードな使い方 をする方や水辺に親しむかたは定期点検が必要です。 |
AJB23ジムニ−のハンドルシミ−の考察
JB23ジムニ−のハンドルシミ−(一般走行時にハンドルの振れと共に車体をも振動させる
もの)についての考察を簡単にまとめました。
症状例
一般道を50km〜60kmで巡航中、路面のギャップをきっかけに、まずハンドルが震え、続いて
車体までがガタガタと震え出すもの。速度を20km程度まで落とすまで振れは続いてしまう。
*ノーマル車高の車両*
ナックルハウジングシールの不良
主に年式の経った車両でシールの柔軟性が無くなり、ナックルを押える働きが乏しくなった
車両に見られる振れ。触診及び見た目ではシールの良し悪しに判断が付かぬ為、3年〜4年
ほど替えていない車両ならば、まず替えても損は無いと思われる。
キングピンベアリングの不良
キングピンベアリングは回転も少なく動きは少ないが、負荷も高くグリスも劣化しやすい部位で
あり、ガタも発生しやすい。実際触診でのガタを感じなくとも上記シールと共にベアリングを
新品に替えると改善するケースもある(ハブのガタも同様です)
ラテラルロッドのブッシュの不良
このブッシュにへタリが発生すると、20km〜30kmの低速でも大きな振れが発生する。
ステアリング、またはリレーロッドの不良
ステアリングロッドおよびリレーロッドのボールジョイントにガタがあるとハンドルの振れに
繋がる。ガタの大きなものは交換を要する。
リーディングアーム・ブッシュの不良1
リーディングアームのブッシュに亀裂、またはそれに相当する消耗がある場合。10年10万キロ
を超えている車両、オフロードを頻繁に走る車両は要注意と思われる。
タイヤのバランスと空気圧
タイヤの空気圧が高い場合、またはタイヤ自体が古く固い。元々柔軟性が無いタイヤなどに
シミ−が発生しやすい。1,5kg〜1,6kg程度の推奨値に空気圧を会わせてみる事をお勧めする。また
ホイールバランスも5g以下に合わせる。これらタイヤを要因とする場合はおおよそで高い速度域
での振れに繋がる場合が多い(70km〜80kmほど)
*2インチ以上のリフトアップした車両*
上記ノーマル車高の対策も含まれます。また、シミ−の発生する割合としてはリフトアップされた
車両の方が圧倒的に多いです。
ラテラルロッドにピロボールが使われている車両
ゴムブッシュの少しのタワミより、ピロの僅かなガタのほうがシミ−に繋がりやすい。もちろん
ブッシュの消耗にも注意が必要。オフロードを頻繁に走る車両は注意を要する。
リーディング・アームのブッシュの不良2
外品のリーディングアームに付属するブッシュで、ごく稀に硬度不足のものがあり振れに繋がる
ケースもある。新しくても振れに繋がる場合があるので見落としやすい。
オフセットの少ないホイルを付けている車両
リフトアップと共に、車幅をアップさせるオフセットの少ないホイルを使用するケースは多く、その
ようなホイルは路面からの外力を、ジオメトリー上足回りに伝える際に増幅させると思われる。
ラテラル及びステアリングロッドに角度が付きすぎている車両
これらのロッドに角度が付くと、路面のギャップからの左フロントタイヤを上方向へ突く入力が、
斜めのロッドを介し車体を横に影響する動きに繋がる場合がある。対策としては角度の補正が
必要となる。
キャスター角が補正されていない車両
キャスター角が補正されていないと、直進性が損なわれてハンドルに落ち付きが無くなる。
そのため、路面からの少しの外力で振れに繋がることが考えられる。
元々ピッチングを感じる車両
サスペンションが柔らかく、走行していると、縦方向のピッチングが絶えず続くような車両。
減速帯のような連続する段差でシミ−が発生する場合がある。これはダンパーに異常が
無ければスプリングを替えるほかに対策は無いと思われる。
※車輪の発生する回転ムラがナックルで横揺れに作用し、ホーシングを通してラテラル及び
リーディングアームからの伝達で車体を横方向にも振れさすブレに繋がってしまう、という考え方
が振れの基本要因と思われます。それにはまず、ホイールやナックル回りの回転ムラが発生
しや
すいポイントを点検するのと、車体と足回りを接続する部位が横方向からの入力に対して
剛性
が保たれているか、どうかが、大きなポイントだと思われます。
JB23ジムニ−でハンドルシミ−を体験された方は恐ろしいほどの振動で、どこかが大きく
壊れたのではないか、と思われる方が珍しくありません。しかし、だいたいにおいて、上記のような
小さい要因が複数関係し合い、症状を発生させているケースが多いです。また逆に言えば、その
ような複数要因のために、解決に時間が掛かる場合も珍しくありません。
しかし、「以前は発生していなかった症状」であれば、根気良く臨めば解決への道は開かれると
思われます。そのような作業の際に若干でも参考になれば幸いです。